「九谷の茶碗と常滑の急須 @ 群青」(福岡)

Filed under: 個展,出店・出品 — @ 2013年3月25日

昨年10月に金沢で開催された「九谷の茶碗と常滑の急須」展が福岡を巡回します。会場は同じく4月に展示をさせて頂いた「群青」です。
常滑といえば急須、急須といえば常滑。朱泥の常滑と染付の九谷、産地を越えた出会いにどうぞうっとりして下さい。


前回好評であった上出長右衛門窯が今回も群青でご覧頂けます。
今回は、「お茶の時間を楽しんで頂く」をテーマに九谷の茶碗と常滑(とこなめ)から届いた急須を展示します。
「急須でお茶の味が違うんですよ」と上出夫妻から伺ったのが、この企画展のきっかけでした。
急須でお茶の味が変わるなどと考えておらず、むしろ、お茶の葉や湯の温度、器などに目を向けていたので、夫妻の話にとても惹きつけられました。
朱泥(しゅでい)急須は誰しもが思い浮かべる事の出来る、日本で最も愛用されている急須と言われてます。
しかしそれ故に量産品粗悪品も多く、産業として衰退していく現在、職人がつくりだす
本来の常滑急須の技術やその価値に触れることは多くないと思われます。
常滑焼朱泥急須は、釉薬をかけずに焼く「焼き締め」技法により土の表面に無数の小さな穴が空いています。
この穴と酸化鉄を多く含んだ土で作るためお茶をいれた時にお茶のタンニンと反応し苦みがとれ味がまろやかになると言われてます。 (群青ホームページより)

「九谷の碗と常滑の急須」上出長右衛門窯展

群青 

〒810-0045 福岡市中央区草香江1丁目6-40 大濠サザンハイツ1階
TEL/FAX 092-722-1616

平成25年 4月13日(土)ー 22日(月)

会期中無休 12時 ー 19時 (最終日は17時まで)

※13日(土)は、上出恵悟在店

※期間中 加賀棒茶 丸八製茶場 の試飲/販売もございます。

※20(土).21(日)『 KUTANI SEAL WORKSHOP』の詳細は、こちらをご覧ください。

経緯

長右衛門窯でも急須を作ってはいるが、常滑にはどうにも敵わないと感じていたそんな折に、急須コンシェルジュ・小濱綾子(こはまあやこ)さんと偶然出会った。急須に惹かれ常滑に移住された小濱さんはその魅力やお茶を楽しむ時間を伝える活動をされていて、本展はそんな彼女の協力なしには実現できなかった。
初めて常滑の職人・村田益規(むらたよしき)さんの工房にお邪魔した際、益規さんは惜しげもなく作品を見せてくれ、次々と出て来る急須に僕は感嘆し、益規さんはふんふんとハミングしておられた。その魅力は是非とも実際に手に取ってご覧頂きたいと思う。暑いはずの真夏の工房で僕は蚊に刺されることも厭わず、急須に夢中になった。
益規さんは60代前半。人がやらないことをやるという一貫した姿勢で、日々の仕事の中でも探求心を忘れない。ご本人はそれを「稽古」と仰っていた。「稽古」という言葉に、仕事への敬意や益規さんの生き方そのものが感じられる。
お茶は今も昔も嗜好品に違いない。益規さんは急須が台所の道具となってしまったことに危惧されていたが、急須もお茶も男性にこそもっと楽しんで頂きたい。益規さんの急須はテーブルまで運んで来たくなる。
急須やお茶をいれる事がこんなに楽しいものなのかと感じてくださると非常に嬉しい。急須はポーダブルだ。自宅でもオフィスでも使って欲しいと思う。

上出長右衛門窯 上出惠悟 平成24年10月(平成25年3月追記)