上出惠悟個展「遊谷」(大阪)

Filed under: 上出惠悟,個展 — @ 2013年3月25日

この度、Yoshimi Artsでは、上出惠悟の個展「游谷」(ゆうこく) を開催致します。

日本の伝統工芸は様々な問題を抱えています。生活スタイルの変容、工業製品の台頭などによる需要の低迷に伴った職人の減少は、道具や原料を作る業者にまで及び、今や伝統工芸は産業として衰退の一路を辿っていると言わざるを得ません。石川の伝統工芸である九谷焼においても、例外ではありません。 九谷焼の窯元で130年の歴史がある上出長右衛門窯の六代目に当たる上出惠悟は、九谷焼の中でも少なくなっている磁器の生成、手仕事による絵付を一貫して制作する上出長右衛門窯の商品企画をし、世界的なデザイナーであるハイメ・アジョンとのコレボレーションを丸若屋と共に実現し、東京芸術大学の卒展で発表した磁器で制作された甘蕉から始まる上出惠悟としての作品を発表するなど、多領域にわたり活動してきました。

上出惠悟は、その九谷焼に纏わるものを俯瞰的に捉え、今まで継承されてきた九谷焼の歴史の重みを脇に置き、形骸化を解き、加賀という豊かな地で育まれた九谷焼を、もう一度豊かで新鮮に感じることを再現しようと試みています。九谷焼は伝統的なものとして世代的に広く共有され、その形状や紋様はごく当たり前に流通していますが、現代のネットワーク的な視点から見ると、改めてその面白さ・愉しさを読み解くことができることを、上出惠悟の作品は示しています。それは、工芸の現代化という折衷的な作品ではなく、生活に芸術を取り込んできた豊かな日本人の伝統をそのまま継承していると言えるでしょう。

上出惠悟は、Yoshimi Artsにて2011年に個展『幽谷』(isolated)を発表し、「髑髏 お菓子壷 花詰」や「甘蕉」などの九谷焼(磁器)による作品を展示し、九谷焼のルーツから現在の自身へと続く世界を表現しました。今展は『游谷』(Floating)と題し、前回の個展『幽谷』を開催した際に割ってインスタレーションとして展示した「大皿 花詰」が金継により新しく蘇って再び展示されるなど、前回とは違う眺めの『ゆうこく』が浮かび上がることと思います。

是非ご高覧下さいます様お願い申し上げます。 (Yoshimi Arts ホームページより)

上出惠悟 「遊谷/Floating」

2013年4月8日(月)ー28日(日)
11:00-19:00 会期中無休
作家在廊日:4月8日(月)
オープニングパーティー:4月8日(月)18:00-

Yoshimi Arts
〒550-0002
大阪市西区江戸堀1-8-24
若狭ビル3F
TEL/FAX 06-6443-0080
E-MAIL info@yoshimiarts.com

「九谷の茶碗と常滑の急須 @ 群青」(福岡)

Filed under: 個展,出店・出品 — @

昨年10月に金沢で開催された「九谷の茶碗と常滑の急須」展が福岡を巡回します。会場は同じく4月に展示をさせて頂いた「群青」です。
常滑といえば急須、急須といえば常滑。朱泥の常滑と染付の九谷、産地を越えた出会いにどうぞうっとりして下さい。


前回好評であった上出長右衛門窯が今回も群青でご覧頂けます。
今回は、「お茶の時間を楽しんで頂く」をテーマに九谷の茶碗と常滑(とこなめ)から届いた急須を展示します。
「急須でお茶の味が違うんですよ」と上出夫妻から伺ったのが、この企画展のきっかけでした。
急須でお茶の味が変わるなどと考えておらず、むしろ、お茶の葉や湯の温度、器などに目を向けていたので、夫妻の話にとても惹きつけられました。
朱泥(しゅでい)急須は誰しもが思い浮かべる事の出来る、日本で最も愛用されている急須と言われてます。
しかしそれ故に量産品粗悪品も多く、産業として衰退していく現在、職人がつくりだす
本来の常滑急須の技術やその価値に触れることは多くないと思われます。
常滑焼朱泥急須は、釉薬をかけずに焼く「焼き締め」技法により土の表面に無数の小さな穴が空いています。
この穴と酸化鉄を多く含んだ土で作るためお茶をいれた時にお茶のタンニンと反応し苦みがとれ味がまろやかになると言われてます。 (群青ホームページより)

「九谷の碗と常滑の急須」上出長右衛門窯展

群青 

〒810-0045 福岡市中央区草香江1丁目6-40 大濠サザンハイツ1階
TEL/FAX 092-722-1616

平成25年 4月13日(土)ー 22日(月)

会期中無休 12時 ー 19時 (最終日は17時まで)

※13日(土)は、上出恵悟在店

※期間中 加賀棒茶 丸八製茶場 の試飲/販売もございます。

※20(土).21(日)『 KUTANI SEAL WORKSHOP』の詳細は、こちらをご覧ください。

経緯

長右衛門窯でも急須を作ってはいるが、常滑にはどうにも敵わないと感じていたそんな折に、急須コンシェルジュ・小濱綾子(こはまあやこ)さんと偶然出会った。急須に惹かれ常滑に移住された小濱さんはその魅力やお茶を楽しむ時間を伝える活動をされていて、本展はそんな彼女の協力なしには実現できなかった。
初めて常滑の職人・村田益規(むらたよしき)さんの工房にお邪魔した際、益規さんは惜しげもなく作品を見せてくれ、次々と出て来る急須に僕は感嘆し、益規さんはふんふんとハミングしておられた。その魅力は是非とも実際に手に取ってご覧頂きたいと思う。暑いはずの真夏の工房で僕は蚊に刺されることも厭わず、急須に夢中になった。
益規さんは60代前半。人がやらないことをやるという一貫した姿勢で、日々の仕事の中でも探求心を忘れない。ご本人はそれを「稽古」と仰っていた。「稽古」という言葉に、仕事への敬意や益規さんの生き方そのものが感じられる。
お茶は今も昔も嗜好品に違いない。益規さんは急須が台所の道具となってしまったことに危惧されていたが、急須もお茶も男性にこそもっと楽しんで頂きたい。益規さんの急須はテーブルまで運んで来たくなる。
急須やお茶をいれる事がこんなに楽しいものなのかと感じてくださると非常に嬉しい。急須はポーダブルだ。自宅でもオフィスでも使って欲しいと思う。

上出長右衛門窯 上出惠悟 平成24年10月(平成25年3月追記)


Publicity/メディア掲載情報3月 上出長右衛門窯

Filed under: パブリシティ — @ 2013年3月18日

 

3月のメディア掲載情報です。

  • VOGUE JAPANに上出惠悟が掲載されました。

「”盛る”精神が華麗に開花!日本バロックカルチャー最前線」としてご紹介頂きました。

 

VOGUE JAPAN 4月号

2013年3月1日発行/コンデナスト・ジャパン
上出惠悟

 

  • Numero TOKYOに上出惠悟が掲載されました。

「時代を担う、伝統工芸男子」としてご紹介頂きました。
  

Numero TOKYO 4月号

2013年2月27日発行/扶桑社
上出惠悟